南蔵院 林住職のいい話 「両親とレストラン 」

レストラン

ある女性が20歳になり信用金庫に勤めて最初のお給料の時に、ご両親を町一番のレストランへ招待しました。

お母さんは前の日からパーマ屋さんへ行きセットをし直し大喜びで席につきました。
ところがお父さんは、ブス~~っとして椅子に座ったら腕組みをして、さも不機嫌そうに天井を見ています。

娘さんは心配になって、

「お父さん、何か言いたいことがあったら言ってください」

というと、お父さんは・・

「お前ね、たった1回の晩飯で俺がお前を20年間
苦労して育てたことが、帳消しになると思ったら大間違いだぞ」

と言いました。

ビール

娘さんはムカ~~ときました・・
誰がお父さんなんかと一緒にご飯が食べれるか!!

と思ったけれども、お母さんの方は喜んでいるので気分を直して食べ始めたら、

お父さんが、

「ビールくらい飲んでいいか?」

と尋ねます。

ビールが運ばれてきて、お父さんはコップを持ってじっと待っています。
娘さんは、誰がこんなオヤジに注いでやるかと思ったけれどもじっとコップを持って待っているので、根負けしてビールを注ごうとしたとき、その瞬間にビックリしました。

お父さんが20数年間、セメント工場に勤めていて、
手の甲のしわの中と毛穴の中に、白いセメントの粉が入っているのを見つけます。

その時に、さっきはあんなことを言ったけれども、自分のことをこんなに頑張って働きながら育ててくれたんだなあ~と思ったら胸が一杯になって

「おとうさん、ごめんなさい、ありがとう!」

と言いたかったけれども、どうしても口に出すことが出来ず気まずいまま家に帰ります。

娘さんが夜、寝る前に、トイレに行こうと思って、お父さん、お母さんの部屋の前を通ると、偶然、二人の話し声が聞こえました。

お母さんが、

「今日の食事は美味しかったですね」

と言うと、お父さんが、

「俺もアイツの顔をまともに見たら涙が出そうになるから、
天井を見ていることしか出来なかった。
本当に美味しい食事を今日は食べさせてもらった。
素晴らしい娘に育ったなあ~」

と話しているのが聞こえました。

彼女はそこから先へ一歩も足が進まず、
自分の部屋に帰って頭から布団をかぶってバンザイをして
朝まで布団の中で泣き続けました。


あなたは悔いのない人生を過ごしてきましたか?!


「旅立つ日」


必ず明日を迎えることを約束された人は、この世に誰一人いません
今、出来ることを大切にしまよう!

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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。

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